平岡氏と安達氏がローラーケシポンスリムフィットについて話している様子
開発者に聞いてみた|
Vol.5 ローラーケシポン スリムフィット
“ケシポン”について、
開発者に聞いてみた!

文字で文字を隠すスタンプで、宛名ラベルの個人情報を保護するケシポン。

幅広いニーズに対応できるよう進化を続けながら、今や累計出荷数は2,400万個を突破しました。*1

今回は、2025年5月発売予定*2のローラーケシポン スリムフィットを担当したマーケティング本部の平岡 紗理とR&D本部の安達 悠河に、開発秘話や文具の魅力について聞きました。

*1 海外市場を含む本体累計販売数(2007年〜2024年9月、プラス調べ)

*2 ASKUL・LOHACOにて2024年9月より先行販売中

ローラーケシポン スリムフィットの
開発経緯を教えて下さい。

平岡

ケシポンには若い方にあまり使っていただけていないという課題がありました。そこで、どんな世代にも手に取っていただける、コンパクトで可愛らしいスティック形状のケシポンを作ろうと開発を行いました。同時に、環境に配慮した開発も目指していたため、プラスチック使用量を機能性・耐久性の維持に必要な最低限のレベルまでカットし、自社従来品と比べて59%削減*3した製品にすることができました。

*3 当社「ローラーケシポン スティック」と比較

開発の中で難しかった点は
ありますか?

安達

新サイズの印面を採用するにあたり、評価基準の設定に苦労しました。従来よりも柔らかい印面のため評価項目を見直し、より長くお使いいただけるよう開発しました。ほかにもプラスチック使用量を削減した持ち手の強度を保つ工夫や、どうやって紙を巻き付けるかなど、今回のケシポンで初めて採用するデザインに苦労しました。持ち手の紙部分とプラスチック部分は、廃棄時に分別しやすいように手で簡単に分解できる構造になっています。

平岡

本体ケースの紙の選定も難しかったですね。当初は、印刷の鮮やかさを考えて光沢紙を選んでいましたが、それだと少しプラスチックっぽく見えてしまって。検討した結果、店頭に並べた時の十分な耐候性がありながら、紙ならではの手触りや質感のよさが伝わる紙を選びました。

本体カラーやデザインは
どのように決まったのですか?

平岡

プラスチックでは表現できない紙ならではのデザインにしたかったので、繊細な風合いが感じられる色や水彩画のイラストを採用しました。「環境」から連想される、自然の恵みから着想を得たフルーツ柄をモチーフにしています。また、プラスチック使用量を最小限にするべく、個装パッケージも紙製にしたいと考え、オリジナルパッケージの開発をR&Dに依頼しました。

安達

平岡さんから相談を受け、細かな議論とともに個装パッケージの試作を重ねました。ディスプレイされた際にどの方向からでも製品全体が見えて、本体ケースの紙の質感や小さくて可愛らしい製品の魅力やキャップ色へのこだわりも伝わる、ジャバラ形状のデザインとなりました。

平岡

知人に見せたところ「可愛いね」と買ってくれたり、社内でもパッケージも含めて好評だったのでとても嬉しかったですね。

消しポン製品の写真

お2人にとって文具の魅力とは?

安達

可能性が尽きないのが文具の魅力だと思います。今回のケシポンのように、基本的な機能にデザインの付加価値をプラスすることで、文具の未来はまだまだ広がっていくと思います。これからも様々な製品の開発に携わって、文具の新しい可能性を生み出していきたいです。

平岡

子どもの頃、自分で選んで買ったお気に入りの文具を、友達と見せ合ったり交換したりして楽しかった記憶があります。そんなふうに、子どもでもこだわりを持てる手軽さや親しみやすさがあるのも文具の魅力だと思います。プラスにはケシポン以外にも、若い人に知られていない便利な製品があるので、今回のようにデザインを工夫することで、どんな世代の方にも愛用いただける魅力的な製品を作っていきたいです。

脳の錯覚を利用して文字を隠す!
特殊な配列のアルファベットパターン。

かつてケシポン開発チームが100種類以上の印面パターンで研究を重ね、星形や幾何学模様よりも文字で文字を隠したほうが脳に作用して判読しにくくなることを発見しました。多様な言語に対応できる製品を目指し、文字の種類や配置、向きなどを地道に検証した結果、10文字のアルファベットでできた独自パターンが完成したのです。

消しポン使用の写真