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トップメッセージ

トップメッセージ 「四方良し」の実現に向け、取り組みを加速する プラス株式会社代表取締役 今泉忠久

私たちにできることは何か、考え続けた1年

プラスグループは、「お客様・パートナー企業・従業員・社会」の四者が同時に満足することを目指す「四方良し」を経営方針に掲げ、大切にしています。そして原材料の調達から、製造、販売、使用、廃棄、回収・リサイクルまでのすべての領域において、満足の発見と創造に取り組んできました。お客様の生活品質を向上させる最高の製品やサービスの開発に邁進し、パートナー企業とは常に新しい挑戦を続け、従業員には心身ともに充実した状態で仕事にチャレンジできる環境を提供し、世界中から共感される会社で在り続けることを最重要としてきました。プラスグループにおけるサステナビリティとは、この経営方針を実践することに他なりません。
2023年5月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことに伴い、行動制限が大幅に緩和され、ようやく収束への希望が見えはじめました。一方、国際紛争や資源価格の高騰、円安の進行など依然として先行き不透明な状況が続いています。世の中の価値観は激変し、市場も大きく変化していく中、柔軟に対応をしていかなければならないと感じています。
そこで、プラスグループでは、中期経営計画(2023~2025年度)にサステナビリティ施策を取り入れ、事業活動を通じたさまざまな社会課題の解決に向けてグループ全社で取り組むこととしました。特定した14のマテリアリティを重要な経営課題と認識し、ステークホルダーの皆様とともに具体的なアクションを実行しています。なかでも、事業活動に関わる社会的課題の解決を優先し、特に喫緊の課題である気候変動をはじめとする環境問題に関連して、プラス株式会社では温室効果ガス排出量算定を終えました。今後はグループ各社の算定を進め、削減目標を設定し、実現に向け取り組んでいきます。

サステナビリティに向けた歩みを着実に進める

プラスグループは、先の読めない時代こそチャレンジを続けることが重要と考えています。中期経営計画2年目にあたる2024年度は、サステナビリティを中核に据えて推進することにより、事業価値からの視点だけではなく、社会価値の視点を持つ活動を加速させていきます。
家具事業領域では、木材のCO2吸収能力や、資材製造から製品化までのCO2排出量を抑えられること、木の素材が持つ温かみ、リラックス効果などから、オフィスのワークスペースにおいて国産木材を積極的に活用しようという機運が高まっています。気候変動問題への取り組みとして、国産木材を積極的に活用することで、森林の健全化およびカーボンニュートラルの実現を目指すプロジェクト「MOKURAL(モクラル)」が2023年に本格始動しました。第1弾として、国産の早生広葉樹センダンを使用した木金混合の「Vicenda(ヴィチェンダ)シリーズ」を発売しました。また、木材循環システムの構築により持続可能な森林の循環を目指す「センダンサイクル」プロジェクトに参画しています。このプロジェクトにおいて自らの役割を果たしてゆくとともに、早生広葉樹センダンの認知をより高めるべく、情報発信に注力しています。

文具事業領域では、有限な資源を効率的に活用するため、プラスチック使用量の削減やCO2排出量削減を目的とした環境配慮商品の開発を進めています。「COE365(コエサンロクゴ)」は、メインターゲットの学生たちとともに環境を考えるブランドとして2022年に立ち上げました。再生紙を利用するなど、できる限り環境に負荷をかけずに、原料や廃棄物を削減しつつ、再資源化を見据えた商品づくりを促進しています。
流通事業領域では、物流におけるDXを進めています。「グループ物流集約・見える化」をテーマに、製造からセンター入庫、出荷、配送に至るまで、グループ全体の物流データを横断的に可視化し分析することで、お客様やパートナー企業のご要望にお応えしていくだけではなく、CO2排出量の削減にも繋げていきます。会員向けデリバリーサービスにおいては、お客様の利便性向上と環境・物流への負担軽減を目指し、2023年8月より「スマートデリバリー」の提供を開始しました。お客様に配送希望曜日を設定いただく機能を拡充することで、荷受け作業の負担軽減と配送回数の削減を実現し、物流業務の効率化やCO2排出量の削減、物流業界における「2024年問題」の解決策の一つとして成果が出はじめています。
地域社会においては、大規模な自然災害が増える中、非常時における物資協力を通して地域の安心・安全への貢献が求められています。そこでプラスグループは、地域社会とのパートナーシップをより深めるため、物流拠点が立地する地域を中心に、危機に備えて地域との取り組みを平時より積極的に行い、各種防災協定の締結を進めています。地元自治体の皆様との連携や協働を通じ、今後も地域の防災や持続的な発展に貢献してまいります。
グループの価値観であるユニークネスの追求もますます加速しています。「みんなのDXプロジェクト」内の「次世代コアビジネス創造プログラム」において、職場での“食”に対する課題に着目し、職場満足度の向上や、従業員にとって魅力的な福利厚生の導入に繋げる定額利用サービスを開発。2023年9月にタベレル株式会社を設立し、12月より事業をスタートさせました。カラダにとって安心・安全な食事を提供するとともに、冷凍することで賞味期限も長く保てるのでフードロス問題にも貢献できます。これからも、快適で楽しくスマートな仕事空間を実現する商品・サービスを提供していきます。

ステークホルダーの皆様との協調を通じて社会課題の解決を目指す

「四方良し」経営の実現に向けて、社内で展開している「みんなのDXプロジェクト」では、組織ごとに保有する異なるシステム、アプリ、データベースなどの主要ビジネスインフラを統一することを皮切りに、物流やセキュリティを最適化し、より円滑で実効的な業務プロセスやコミュニケーションへと大規模に変革する取り組みを進めています。
プラスグループは独立採算組織の集合体であるため、各社が個別最適でビジネスインフラを構築してきた経緯があります。しかし、VUCAと呼ばれる未来が不透明・不確実なビジネス環境となった昨今、私は、激変する市場に対応する柔軟性とスピード、そしてローコストオペレーションが実現できない企業は、到底生き残れないだろうという強い危機感を持っています。そのため、各組織のビジネスインフラを集約し、全社共通基盤として専任のシェアード部門が一括管理、開発、保守、メンテナンスすることで、製品開発、営業、マーケティングなど事業ごとの独自性を出すべき領域にヒト・モノ・カネを集中させていくべきだと考えています。
このビジネスインフラの中核になる共通システムをPRS(PLUS Resonant System)(仮称)と呼んでおり、Resonantの意味通り「共鳴するシステム」を目指しています。さらにこのシステムは、プラスグループ内での利用のみならず、サプライヤー様や販売店様などのパートナー企業、そして将来的には市場(社会)にも積極的に開放し、ビジネスエコシステムに昇華させていくことを想定しています。具体的には、生産拠点や物流倉庫、営業、Eコマース、顧客のデータベースなど、一般的な製造・販売事業に必要な機能やインフラをステークホルダーと共同利用できる環境を提供し、最終的にはこのシステムを、水道、電気、ガスと同様、社会インフラにしていく構想です。この考え方やシステムの設計思想も「四方良し」の経営方針にリンクしており、これからもさまざまなステークホルダーが同時に満足できる社会を追い求めていきます。
プラスグループは、ステークホルダーの満足を同時に実現する「四方良し」の経営を継続していきます。そのために私たちは、これからも、時代の変化を敏感に感じ取り、自らのビジネスを変化させながら、また変化を創造しながら、ステークホルダーの皆様と一緒に成長していくことを目指してまいります。